S・63
暑さゆえに


納豆になった娘


夏は朝目覚めたら前日とパジャマが違っている日がよくあった。
不思議に思っていたら、朝食を食べる際に母にこう言われた。
「アンタ夜発酵してるよ!汗が凄いし臭いから毎日着替えさせるの大変だよ」
発酵の意味がよく分からなかったが臭いと言われ幼いながらにショックだった。
しかしそれもしょうがない。
寝る部屋は家族全員同じ部屋だったうえに、クーラーなどなかったのだ。納豆のように発酵しても仕方あるまい。

私のあだ名は夏が終わるまでしばらく納豆娘であったあげく、毎年夏になるとネタにされるのであった。


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