37.3℃のキス《短》

ふらつく頭と戦っていると、いつのまにか時計は五時過ぎを指していた。

そろそろ先生が来るはずだ。

先生が来たらすぐに出られるように、私は財布と携帯を持って玄関に行った。


だけど慣れた廊下でさえ真っ直ぐに歩けず、やっぱりふらふらする。

歩いてる感覚が全くない。

雲の上なんて歩いたことないけど、まるで雲の上を歩いている気分だ。

なんとか玄関まで辿り着いた私は冷たい玄関前の廊下に座りこんだ。
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