37.3℃のキス《短》
「山岸君……? なんで?」
先生のかわりに立っていたのはクラスメイトの山岸君だった。
「いや、一年の奴らが集団で万引きしたらしくて、先生が警察に呼び出されたらしいんだ」
先生は生徒指導の主任だ。
それならしょうがない。でも……
「なんで山岸君?」
山岸君とは仲が良いわけでもないのに。
「俺がたまたま職員室にいたからじゃね? ……って澤村大丈夫か!?」
私はとうとう立っていられなくなってその場に座り込んでしまった。
目の前がチカチカしてなにも見えない。
体はこんなに熱いのに汗は一滴も出ていない。
「おい! 澤村!」
そして私はそのまま意識を失った。