謝罪人 Kyouko
三人が席に着くなり、内線電話が鳴った。

中居が受話器を手にする。
「わかった」
と、告げて席に戻る。

中居が席に着くなり、島田の携帯電話が鳴った。
島田は電話の相手を確かめた後。

「失礼」
と、恭子に言って席を立った。

電話は親しい相手らしく、時より冗談を言って笑って話している。

島田が席に戻ると、今度は中居の携帯電話が鳴った。

「失礼」
中居は携帯電話を手にして立ち上がった。

「それは任せる」
中居は、電話の相手に何かを指示するように厳しい口調で言った。

その後も、内線電話が鳴って中居が呼び出されたり、島田に携帯電話が鳴って、
打ち合わせどころではなかった。


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