謝罪人 Kyouko
急に男が席を立ち上がった。

「俺、あいつのところに行ってくる」

男が立ち去ろうとした。

「ちょっと、待って下さい」

恭子は、慌てて立ち上がって男を呼び止めた。

「あんたには関係ないことだ」

男は強面な表情に戻って、恭子に言った。

「いえ、それが関係あるんです。私は陽子さんの代わりで来ているんですから」

恭子は、男に対する恐怖心があったが、仕事の使命感で男を引き止めた。

「それだったら、あんたが彼女を連れてきてよ」

男は、自分の顔を恭子の顔に近づけて言った。
それは威圧感を感じさせた。

「そ、それもできません」

恭子は怯えながら答えた。

「なんだと!」

男は脅すように大きな声で言った。






< 15 / 138 >

この作品をシェア

pagetop