謝罪人 Kyouko
男は、しばらく考え込んだ。

恭子は、木村の横に座った。

「わかりました。迷っている時間はありません。そちら様にお任せします」

男は静かに言った。
その表情は深刻そうに見えた。

恭子は、男が依頼人であることは間違いないと思った。

しかし、今まで謝罪の仕事を受ける場合、オフィスで依頼人と会うことはない。

木村から、依頼書を受け取って現場に出向いて、依頼人と会って仕事をする。
それが、謝罪人の仕事である。

「あの・・・どういった仕事の依頼なんでしょうか? 」

恭子は、今までとは仕事の内容が違う予感がした。
それを確かめるように木村に尋ねた。




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