謝罪人 Kyouko
恭子は、レストランを出て一階ロビーに向かった。

恭子が、中居の座っているソファに近づいた。

「お待たせしました」
恭子が言うと、中居が立ち上がった。

「それでは、行きましょう」
中居が歩き出した。

「これは、中居さん。こんな所でお会いするとは奇遇ですね」
中居に声をかける男がいる。

声をかけてきたのは、恭子がタバコの火を貸した男だった。

「また、君か・・・」
中居は呆れた表情をした。

「今日は、役所の仕事はお休みですか? 」

男が尋ねた。
それは、意味あり気に中居のことを探るような言い方だった。

「別に君には関係ないだろう。じゃ、行きましょう」

中居は、男を無視するように、恭子を連れて立ち去ろうとした。











< 57 / 138 >

この作品をシェア

pagetop