謝罪人 Kyouko
「昨夜は、ありがとう」

男は、恭子のそばに近づきライターを見せて礼を言った。

「・・・・・・」
恭子は、何を言わずに会釈をした。

男の態度に中居は、恭子の顔を見た。

「これ以上つきまとって、変なことを書くなら、こっちも考えがあるからな」

中居が男を睨むようにして言った。

「変なことですか・・・でも、俺はかならず、あなた達の陰謀を記事にします」
男も、中居を睨み返して言った。

「行きましょう」
中居は、恭子に声をかけた。
そして、男に背中を向けて歩き出した。

恭子も中居の後を歩いてホテルを出た。

ホテル前に車が止まった。

恭子は振り返って、男の方を見た。
ロビーには、男の姿はなかった。

男が言った陰謀という意味が、恭子は気になった。


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