謝罪人 Kyouko

真実 ①

恭子と中居は、車の後部座席に座った。

「あの男性は? 」

恭子が隣の中居に尋ねた。

無精ヒゲの男のことが気になっていた。

「松山っていう新聞記者です。今回の助役の賄賂(ワイロ)をスクープしたのも彼です」

「そうだったんですか・・・」

恭子は、男の職業を聞いて納得した。
昨夜、声をかけたのは、自分のことを調べるために近づいたんだとわかった。

「松山に会ったんですか? 」

「えぇ・・・タバコを買った時に・・・でも、何も話していません」
恭子は、弁解するように中居に言った。

「でも、どうして、私がホテルにいることがわかったんでしょう? 」
恭子は、疑問に思った。




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