謝罪人 Kyouko
「僕が子供の頃は産業もなく、いっも市の財政は厳しい状況だった。だが、島田市長が就任して、あの町は活気づき、市民の生活も、少しではあるが、昔よりは豊かになっている」

「・・・・・・」

「自分も、あの町で生まれ育った人間です。島田市長の市民を豊かにする構想には、賛同して協力していきたい」

中居は強い口調で言った。

「恭子さん。僕からもお願いしたい。どうしても、三日後の謝罪会見を無事に終わらせてほしい」

中居が、せっぱつまった様子で、恭子に頼んだ。

「わかりました」

恭子も強い意志をもって返事をした。
遠くの工場施設から、いくつもの白い煙が印象的に見えた。









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