謝罪人 Kyouko
恭子を乗せた車は、四角市から隣町にある山道を走っている。

ワインディングロードが続き、峠付近にある駐車スペースに車を止めた。

先に中居が車から降りた。
それに続くように、恭子も車を降りた。

「あすこに見えるのが、四角市です」
中居が指さして説明した。

峠からは、四角市全体が見渡せた。
遠くに海が広がって、いくつもの工場が建ち並んでいる。
産業の町の風景だった。

「ほんの数年前は、何もない町でした。今の島田市長が作った町です」
中居は、四角市の現状を話し始めた。















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