謝罪人 Kyouko
恭子は、食事を終えて席を立った。

恭子は、松山が島田市長のことで何かを調べていることは間違いない。
そのことを早野は知っている様子だった。

恭子は、依頼人である島田市長の何を調べているのか知りたかった。

早野に聞いてみたいとも思ったが、逆に自分のことを聞かれて、ややこしいことになるのも面倒だと思い、そのまま何も聞かずに店を出ることにした。

レジ前に久美がいる。
恭子は千円札を出す。

「とても美味しかったわ」
恭子が、つり銭を受け取りながら言った。


「また、いらっしゃって下さい」
久美が笑顔で答えた。

「ありがとうございます」
久美が恭子に頭を下げた。

恭子が店を出ようとした時、ドアが開いた。

「あっ! 」
恭子は驚きのあまり、思わず声を出した。

恭子の前に現れたのは、松山だった。

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