カーテン
ああ、もうなんなの。結局遅れて、体育担当の菅井に怒られた。何か今日やばくないか、
たまごの次はハゲの菅井さんですか。なんていう時間割。担任に文句を言いたい。
「オラァァァアア!お前らタラタラしてんじゃねーぞ!」
菅井の怒声が響く。
タラタラしてますけど、と一緒に校庭を走っている奈緒とばれないように笑いあう。こういう時間もちょっと好きだった。
「あ、夕子。そういえばさぁ、何か今日転校生来るらしいよ、うちのクラス。知ってた?」
何それ。聞いた覚えないな。転校生?誰だろう、こんな時季外れに。季節はもう6月になろうとしている。クラス替え当初はギャーギャーうるさかったクラスも、やっと落ち着いてきたのに。どういう子なんだろう。
「何かね、男ってのは分かってるみたいなんだけど、他はさっぱり分かんなくて。」
ふうん、男の子なんだ。
「かっこいいといいねー!」
同感。知性的な眼鏡をかけたクール男子・・・・いや、茶髪で元気なやんちゃ男子でもいいな。そして、ひょんなことから私と仲良くなり、めくるめくキュートなラブストーリー・・・・・いや、漫画の読みすぎだな。これは。
―――――――――まだ、このときはまさか、転校生がアイツだったなんて思ってもみなかった。

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