【完】ひとつ屋根の下で。
父の遺書には俺のことが書いてあり、マスコミには公表しないこと。



自分と菜々子の墓は一つにしておくこと。



その二つ必ず守ってほしいと綴ってあった。



「たった一人の家族の父を亡くした高校生になったばかりの俺は、菜々子の実家の島本に引き取られた。だが、島本に俺の居場所はなく、自ら一人暮らしを希望した」



そんな時、出会ったのがこの三ツ葉荘だった。



「島本の家の者は、喜んで一人暮らしを賛成し、俺はあの家を一週間もしないうちに出たよ。だが、学費や生活費は世間体を気にして今だに出しているんだ」



これが、今日までの、俺の、ちっぽけな全て。
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