【完】ひとつ屋根の下で。
何年もの間、ヒカルに金銭的に支援したのは、決して世間体のためじゃない。



きっと、そうすることでしかヒカルを助けられなかったんだ。



島本さんの、せめてもの、気持ちだったんだ。



ヒカルにも、その気持ちは伝わったみたいだ。



「アンタも、人のことより自分のことを気にしろよ。俺が最後に会ったときは、もっとふっくらして綺麗だったのに」



そんな会話をして目を細め合う二人。



血の繋がらない、戸籍上の親戚のヒカルと島本さん。



だけど確かに、二人の間には、家族愛が生まれはじめた。



悲しみと苦しみの果てにあったのは、ほんの一筋の幸せの光。



その光は目映くはないけれど、傷付いた心は癒せないけれど。



今、やっと時間は動き出した。
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