【完】ひとつ屋根の下で。
「アンタは俺を解放したつもりらしいけど、俺が解放してやらないから。何主導権握ってくれちゃってんの?苺ごときのくせに」



「ばーか!何で来ちゃったんだよ。ヒカル……」



堪らず、涙が頬を伝い、アタシは両手で顔を隠す。



そんなアタシを一度離し、今度は正面に回り込んで来たヒカル。



ヒカルはアタシの手を、優しく取った。



恐る恐る見上げると、2年前の記憶と変わらない、彫刻みたいな整った顔に、高い鼻、白い肌、短すぎてつんつんした髪。



そして、世界で一番美しい、翡翠色の瞳。



変わんなさすぎて、涙が止まんない。



そんなアタシの頬を拭う仕草ひとつ、愛したまま。アタシに魔法をかけていく。
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