【完】ひとつ屋根の下で。
その翡翠色の瞳は、何処までも穏やかで、アタシを包み込む。



「馬鹿だね、ヒカル、アンタにはアタシより大事な家族がいるだろう?」



「島本さんには、実の娘がいるから心配ない、大丈夫。……それに、さ。怒られたよ。『なんで苺さんを探さないんですか』って」



ヒカルの困ったような笑顔に、アタシは涙が止まらなかった。



ヒカル、愛が、温かい。



「帰ろう、俺達の帰る場所に」



言葉から、優しく、時に甘くヒカルを感じた。



抱きしめ合うアタシ達を、風が優しくクスクス笑うみたいに包んだ。



帰ろう、そしてまた2人で愛し合っていこう。



ひとつ屋根の下で。










【END】
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