【完】ひとつ屋根の下で。
「はー、ひっさしぶりにこんなに笑った。腹いてー」



「はあ、俺も」



なんか脱力感を感じてソファーに頭を預ける。



さっき、あんな目に遭ったのに気分が楽になった。



「で、一体どうした?言えば少しは楽になるんじゃない?」



ヒカルの出す独特な雰囲気に押されてアタシは語り始めた。



話を聞いている間のヒカルはどこか草原みたい穏やかさを感じた。



「まあ、こんな感じ」



「そっか……」



ヒカルはぽつりと呟くと骨張った手でアタシの頭を撫でた。



「まああれだ。泣けば少しは楽になるんじゃない?」


ぶっきらぼうに放たれた一言だったけどその優しく残る語尾の音。



じわり、と目頭が熱くなった。
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