【完】ひとつ屋根の下で。
しばらく寝て、次にアタシが起きたのは真夜中だった。
「トイレ行こうかな……」
ベッドから立ち上がり、ドアを開く。
すると、リビングのドア方面から光が漏れている。
「もしかして、ヒカルつけっぱでうとうとしてるな。ドジ」
しかし、アタシがドアを開くと、ヒカルはまだ起きていて、勉強しているようだった。
「あ、ゴメン。起こした?」
「んーん。トイレに起きただけ。ヒカルは寝ないの?」
アタシが尋ねると、ヒカルは、シャーペンを動かしてた手を止め、真顔で顔を上げる。
いつもの翡翠色が、心なしか濁って見えるのは、アタシの気のせいだろうか。