三男一女 *今日から私は妹…?*

a.服を買う



梧郎くんのほかに、車でもう一人が待機していた、


「兄さん、この子、杏奈」


「は、はじめまして…」


運転席に座っていたひとりは、じろりと私を見る。








「…恭介」





それが彼の名前だと理解するのに時間がかかった。



梧郎くんにつられて後部座席へ乗り込む。



「兄さん、まず眼鏡買いに行こう」



「…ん」



恭介さんは、黙って車を発進させた。


まだ、私は目が悪いことを伝えていない。


なのに、何で…。



「杏奈、目を細めて段ボールとにらめっこしてたから」



梧郎くんが私の考えを読んだように言う。


私はなんとなく恥ずかしくて、うつむいてしまった。



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