回る世界
┗世界の終焉
「んで、お前は追いかけなかった訳、だ?」

「そう」

「涙を落す愛しの彼女を、抱きしめもせず、ただ黙って見送ったと?」

「…」

「ほんっとうに、お前は駄目な奴だな。これからお前の名前はダメ男だ、ダメ男」

「そのネーミングセンスどうなの?」

「突っ込むところはそこじゃねぇ!!」



武田の声が脳に響いて気持ち悪い。ただでさえ寝不足でグラグラしているのに、耳元で叫ばれると頭がキーンとする。


「おい、佐竹。お前ちゃんと聞いてんの?」

「聞いてる聞いてる。要するにカスミに謝って来いってことだろう?」

「まぁ、そういうことだな」

「ん―…」

「ん?」




でも俺は何を謝ればいいんだろう?




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