ホストに恋する中学生

出逢い

私は、矢吹まりん。
都立中学に通う三年生で、今年受験生になる。
いつものように帰宅途中に、街をブラブラ歩いていたら・・・・。
"ドン"(痛っ)
不意に誰かと、肩をぶつけてしまった。
「痛ってなぁ」
どうしよう。
謝らなくちゃ。
「あっ、すみません。」
「んだよ、てめぇ」
もう終わりだと思い、頭を上にあげた。
「・・・・・・・」
私は、思わず目を疑った。
だって、目の前にいるのは・・・。
歌舞伎町で有名な、ホストクラブのNo.1指名ホスト。
「・・・・・・・」
相手も私の顔を見て、かなり驚いている。
「あ、あのさぁ・・・。」
「何でしょうか?」
「さっきは、キツイ事言ってごめんね。俺、頭に血がのぼってたわ。」
「いえ。私の方こそ、ごめんなさい。」「いいよ、謝らなくて。」
「でも・・・。」
「あ、あのお名前は何て言うんですか?私は、矢吹まりんっていいます。」
「まりんちゃんかぁ~。可愛い名前だね。俺は、栗山葵。宜しくね!!」
「はい。宜しくお願いします!!」
「俺さぁ、ホストやってるんだよね。」
「あっ、そうなんですか?」
「歌舞伎町で、有名なんだよね(笑)」
「へぇ~、そうなんですか!?」
「ちなみにホストネームは、「流星」っていうんだ。」
「ふぅ~ん。」
「あっそうだ。俺とメアド交換しない!?」
「いや、でも・・・。」
「俺とメールするの嫌!?」
「いえ、そうぢゃなくて。」
「ん?理由言ってみてごらん!?」
「葵さんは、私みたいな中学生の女の子とメールしてもいいんですか!?」
「うん、いいよ。」
「ぢゃあ・・・葵さんがそういうなら、メールしてもいいですよ。」
「えっ、まぢ!?ありがとー。」
「いえ、こちらこそ。」
「ぢゃあこれ、俺のメアドね。帰ったら、メールしてきて。」
「あっ、はい。」
「それとこれ、俺のホスト名刺だから。」
「あっ、はい。」
「んぢゃ、メール待ってっから。」
「あっ、はい。」
「ぢゃあまた、後で。」
葵さんはそう言うと、走ってどこかに行ってしまった。
~これが、私たち二人の出逢いだった。~
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