嘘で隠された現実(リアル)
振り向いたと同時に、何かが飛んできた。

反射的に、それを受け止める。

それは口の開いていない、真新しいペットボトルだった。


「な、危ないじゃないっ!」

投げた犯人である朱月に向かって、私は怒鳴った。


「やるよ、それ」


「は?」


「喉‥渇いてんだろ?」


「え…?」


勢いをなくした私に追い討ちを掛けるように、朱月は自分の喉に指先を触れさせた。


私は、思わず笑みをこぼした。


どうやら、また無意識の癖が出てしまっていたらしい。
< 303 / 331 >

この作品をシェア

pagetop