嘘で隠された現実(リアル)
「それが貴方の役に立つのか、本当は判らないの。それは貴方次第。もしかすると、余計なことをしてしまうかもしれない。でも、私はあまり心配してないの。朱月くんならきっと大丈夫‥そう思っているから」


「‥それは、喜んでいいんですよね?」


「勿論よ」

郷花さんは、大きく頷いた。


プップーッ


外で、クラクションが鳴っている。

恐らく、痺れを切らした水月だろう。


「呼んでますよ?」


「そうね。そんなに急かさなくてもいいじゃないね?」

口調は不満げだが、その表情には笑みが溢れ、それを少しも隠しきれていない。


「楽しんできてください」


「ありがと」


郷花さんは、ドアに向かって歩き出した。

だが、突然立ち止まり、振り向く。


「どうしました?」
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