吸血鬼達と戯れを
狩野は何度も倉崎とコンタクトを試したが一度も連絡が付かなかった。
心配ではあるが、取り敢えず町へ向かっている。

「奴の事だから死にはしないと思うがなぁ」

狩野は前方を見つめる。

誰かが居る。

狩野はゆっくり近付く。
その人物は狩野に気付いたのか背中を見せて走り出す。
髪の長さと一瞬見えた顔から女だと判別出来た。

「待て！」

狩野は女を追い掛ける。
吸血鬼なら問題だが、もし一般人だとしたら尚更問題だ。
女は早かったが、狩人として訓練を受けてる狩野にすぐ追い付かれる。

「止まれ！」

狩野は女の腕を掴む。
臭いからして吸血鬼では無いのが分かったからだ。

「嫌だ！放してよ！」
「落ち着け！俺は学園の生徒だ！」

女がその場にへたりこむ。
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