運命の人はお義兄様


俺たちは2階に上がった。

…俺は強行手段に出ることにした。

「静夏ちゃん。学校では俺に話しかけないでくれるかな?」
「…え!?どうしてですか?」
「めんどくせぇからだよ」
「…」
静夏は目を見開いたまま固まっていた。

俺はそんなことに構わず話を進めた。

「こことここが俺の部屋だ。鍵のある方に居る時は、話しかけんな。どうしても用事があるときは、携帯に入れろ。
残りの部屋ならどこでもいいから使え」

静夏は少し固まっていた。

「ぼ、防音の部屋はありますか?」
「ない。それと親父たちに俺の事は絶対言うな。わかったか」
「…二重人格」
静夏が小さな声で言った。

「あぁ?二重人格じゃねえよ。裏と表で使い分けてんだよ」
静夏はだいぶ黙っていた…。


「…裏表ある人って大嫌い!!!!
心配しなくても、あんたなんかに話しかけませんから!!!!!」
「…」
「私この部屋使いますから」

バンッ
静夏は部屋に入っていった。

俺も部屋に入ろうとした。


「あの人の事、いい人だなんて思った自分が恥ずかしいぃ」
静夏が叫んでいるのが聞こえた。
「クックックッ。あいつ面白い奴だな」
俺は何故か笑っていた。





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