愛して欲しい人。
「…ん、了解」
幸宏さんは微笑んで頷く。
「じゃあ俺、もうちょっと寝るわ。
早く起きたから眠くなっちゃった。」
目を軽く擦りながら言う彼は、小さい子供みたいで可愛い。
…昨日も遅くまで仕事してたみたいだし、仕方ない、よね。
「わかりました。
昼食に、何か食べたいものはありますか?」
「ゆずが作るものならなんでもいいよ。」
ニコッと笑い寝室に歩いて行く。
私もそれに微笑みで返し、テレビをつける。
普通は家事とかをするものなんだろうけど、
掃除も洗濯も、料理以外の家事は全て専門の人がしてくれる。
本当は料理も作ってくれる人が居るんだけど、
それくらいは自分でしたいって断った。
何しろあまりにもすることがないし、
幸宏さんが頑張っているのに何もしないだなんて悪い気がするし。
…なんて、私が作ったものを幸宏さんに食べて欲しいだけだけれど。
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