ビターに愛して シュガーな恋心

桃香Side②

『今日は買い物に付き合う
6時には家に帰るから』

勇人さんがメールがきた

放課後、会長室で書類を整理していると制服のポケットに入っている携帯が震えた

買い物に二人で行ったら、莉子ちゃんが一人になっちゃうよ?

あたしは返事を返した

『駄目だよ
一人で行けるから、平気だよ
莉子ちゃんを一人にするわけにはいかないよ』

すぐに勇人さんからも返事がきた

『別に莉子だって餓鬼じゃねえ
一人で泣くような女じゃねえだろ』

そうだけど……

莉子ちゃんはこっちに来たばかりなんだよ?

2か月間ずっと家に閉じ込められていたわけでしょ?

きっと寂しがっているよ?

『6時に生徒会室に行くから』

間をあけずに勇人さんから、次のメールがきた

莉子ちゃんを一人にするのって…心が痛いよ

あたしは一人で行けるし

携帯を机の上に置くと、席を立った

莉子ちゃんに聞かないと…

莉子ちゃんも一緒に行けばいいのよ

買い物に、三人にで行けばいいんだ

あたしは隣の生徒会室のドアを開けた

「あっ! 桃香せんぱーい」

「うぜえ」

目の前に両手を広げて近づいてくる藤城君にあたしは体が一気に硬直した

え?

どうしよう!

克波君が、蹴ろうと足をのばすが距離があいていて、届かなかった



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