Be impatient
「なんだか残念そうな顔してるね。」

こんな言葉をさらっと言ってしまうヤナギさんは、本当は女の扱いに慣れているのかもしれない。

「な、何がですか?」

ヤナギさんが何を指してそう言ったかは私にも分かる事で、私の頬はまた熱を持つ。

私の問いかけに答える事なくニヤリと笑ったヤナギさんは、どうしようもなく魅力的で、その笑みに見惚れてしまう。

この時の私の目は間違いなくハートになってるだろう。

「ヤ、ヤナギさん……コーヒーもう一杯どうですか?」

ほんの少しの時間の沈黙を破ったのは私だった。

どうにかこの空気を替えなければ、私は何を口走ってしまうか分からなかった。

告白なんて自分からはした事ない、自分から気持ちを伝えるなんて出来るわけないと思っていた。

でも今日程自分から気持ちを伝えたいと感じた事はなかった。

これもきっとヤナギさんのいつもと違う雰囲気の所為だ。

私はこの雰囲気に飲み込まれてしまったんだ。



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