恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「でもバカみたい……」
つぶやくようにあたしが言った。
「ン?」
「だって、そうじゃん? いい年こいたオトナが変身ヒーローごっこなんかしたあげくに大ケガするなんて、ホント、バカだよ」
「バカなもんか。お前なぁ、ヒーローショーを見ているときの子供たちのキラキラした目を見たことあるか? ヒーローショーは子供に夢を与える大切な場所なんだ。なにも学校の先生になることだけが、子供たちにメッセージを送る手段じゃねぇと思うぜ」
「言ってることは分かるような気もするけど」
「それにな、ピンク、誤解するなよ」
「え?」
「あれはあくまで事故だ。紫苑はワザとやったわけじゃねぇ。さっきはついカッとなって、あんなことを口走っちまったが、紫苑のことは恨んじゃいねぇんだ。そのことだけは誤解するな」
「でもセンパイ、ボクっ……」
泣きそうな顔で紫苑さんが言う。
「それ以上なにも言うな。さっきはついあんなこと言っちまって、本当に悪かったな」
「センパイ……」