1人のお嬢様の願い
お父様がいきなり観覧車の方に歩きだした。

「お父様?どこ行くの?」

「詩依良。おいで。」

お父様についていくと、湊飛が乗り場にいて。

「お嬢様。こちらです。」

そう言った。

「並ばなくていいの?」

私は疑問に思って聞いた。

「三橋乃[ミハシノ]のお嬢様であるものが並ぶことなどないのですよ。」

湊飛は言った。

観覧車に乗ろうとした時、ふと視線を感じた。
後ろを振り返ると、泣きそうな顔をした3才くらいの女の子が1人。私の事を見ていた。

きっと、次に乗る予定だったかな…。
私はそう思って、すぐ乗り込めなかった。

「詩依良。乗らないのかい?」

お父様に聞かれ急いでお父様の所に行った。



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