1人のお嬢様の願い

─学校

学校までの道のりは徒歩。
たいした距離じゃないしね。

「詩依良。いい加減、旦那様を許してあげろよ。」

「朝の話?
いいじゃない。どこで食べようが、私の勝手よ。」

「それが意地を張りすぎなんだよ。」

「どうだっていいわ。
それと、何で家をでると敬語じゃなくなるのよっ!
ペースがくるうわ!」

すると旭がニヤッと笑って、

「学校じゃ俺の方が先輩だからな。」

むかつく……。
確かに先輩だけど!?
一個だけじゃない!

「ほら、学園ついたぞ。後輩!」

「う…。そうですねぇ。先輩!」

むかつくわ……!

旭と別れて自分の教室に向かう。

ガラガラガラ―…

席まで行くと、今までなかった隣の席ができていた。

「転校生……??」

「おっはよぉ!しぃちゃん!」

「ひゃっ…!」

後ろからいきなり抱きつかれて私は悲鳴が……
って…し、しぃちゃんんん!?

「ん?しぃちゃん?大丈夫?」
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