Darkness Butterfly

恋人


舌打ちをされた。

良壱は落ちた煙草を見てる。

あたしは悪くないよ。
あんたが勝手に落としたんだから。

「三秒ルールって知ってる?」

と問いかけた。

「知らねぇ。」

と落ちた煙草を踏んで、火を消した。

少しの間、沈黙が流れた。

…あれ。

さっきした人生初の告白がスルーされてはいないか?

「いい。乗れ。」

ヘルメットを渡されて、静かな低い声で良壱は言った。
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