Darkness Butterfly

落ちぶれ


鬼のような形相で、あたしを睨んでたなぁ…。

でも、それは、あたしが本当の理由を言わなかったからだって思いたい。

良壱はあたしの事を信じてるって思いたい。

「普通の高校生になりたいから」

「もう喧嘩したくないから」

そう言って懇願した。

最後まで良壱は首を縦には振らなかった。

あたしが勝手に出て行った。

もし…。

良壱があたしを見捨てたなら、良壱の家にあるあたしの物を全て捨ててしまうだろう。

そして、恋人同士ではなくなるだろう。

それは…少し寂しい。

でも、迷惑はかけられなかったから。


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