Darkness Butterfly

隣に良壱が座って、アキヒトさんが最後に座る。

「それでも結構、穴場なんだよ。」

「何の?」

即座に聞いたあたしに夏弥がフリーズする。

顔が強ばっていた。

あたしは、笑顔を作って尋ねる。

「料理が美味しい方?
それとも、愚連隊が知らない方?」

気付いてた。

それは、あのラリってる女(鈴の下の奴)の所へ行って帰ってから。

詳しく言えば、あたしが闇討ちにあってから。

良壱が過保護になった。

別に嫌じゃないけれど、表を歩く事が少なくなった。

「…なんてね。」

あまりにも、周りの沈黙が長いのであたしは話を終わらせた。

その瞬間、少し出遅れて良壱が言う。

「どっちもだ。」

と。


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