町の片隅で~ファーストストーリー~
「おい!何でもっと急がない!ソーセージなんか後で食え!ほら、来いっ!」
「あっ!いきなり引っ張るなよな!ソーセージ落ちちまったじゃねぇか!」
「帰りに拾えばいい。今は急げ!」
「落ちたもんなんて食えるかぁぁ!クソッ!」
無惨に転がるソーセージが俺を見送った。
遅刻スレスレで学校に着き、無駄な時間を過ごす。

それからは何の変哲もない日々に嫌気をさしながら夏を迎え、何もしない内に秋が来た。

俺にとって学生生活など苦痛でしかなかった。
授業中は寝るか抜け出すかのどちらかで、チャイムがなると友達とだべり、放課後は道草をくって家路につく。
友達が出来てもあまり変わらない。
恋人でも出来れば話は別だが。

俺はいつまでこんなくだらない生活を送らなきゃならないんだろう。
何が目的で毎日学校に来てるんだろう。
そして、俺はここで何を手に入れる事が出来るんだろうか。
いろんな疑問を浮かべ、冬を迎える。

俺はこの冬で生きる為のヒントを得るとは思ってもみなかった。
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