町の片隅で~ファーストストーリー~
何でこんな奴を助けちまったか分からない。
神様がいたならケツを蹴り上げてやるのに!
「そいつ、今はどうしてるんだ?」
「さぁね、引っ越してしまったから分からない。一緒に探してくれる?」
ヤバい!俺だとバレたらまた取り憑かれる!
「い、いや、もうそいつは辞めといてやれよ。ほ、ほら、他にもいい奴がいっぱいいるじゃないか。」
「そうね、あなたみたいな人がね。フフッ。」
しまったぁぁぁ!このままではあの世に連れて逝かれる!
「お、俺は止めとけ!ストーカーなら間に合ってる。」
「ストーカーって…アハハハッ!ちょっとからかっただけよ。それに今はもう、あんな事しないわよ。疲れちゃったから。」
めちゃくちゃ安心した。
「さぁ、お前の気が変わらない内に帰るか。家は何処だ?送ってやるよ。」
「ホント!?嬉しい。あっちよ。」
無邪気な所は可愛く思う。
頭のネジが緩すぎる所はどうにかしてほしいが。
「あのさぁ、せめて横にしてくれないか?何でいつも後ろなんだよっ!」
「えぇ~っ!いいじゃない!」
「駄目だ、俺が迷惑なんだよ。ほら、ここに来い。」
変な奴に関わったと深く後悔した一日だった。
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