町の片隅で~ファーストストーリー~
だから卒業式の時、俺は野球部の部室からバットを持ち出し、教師専用の駐車場で暴れまくった。
我慢のし過ぎで頭がいれちまってたんだろう。
その後、警察に捕まり、行くはずの高校の校長と何度か面会室で会った。
いつもしつこく理由を聞かれたが、言葉を交わすことなく時間だけが過ぎていく。
それなのに何で入学を許可したのか分からない。
変な奴なんだろう。

嫌な記憶を思い出してると、チャイムの音が聞こえた。
そのチャイムが何かの合図だったかのように止まってた人や動物などが動き始める。
「どうなってるんだ?」
「時は動き始めた。早くこっちへ。」
またどこから現れたか分からないあの女の子に手を引かれて家へと向かう。
「どういう事だ!説明しろ!」
「見て、聞いて、感じるのよ。そうすればきっと分かるはず。」
家の前に着くと女の子は消えて居なくなってしまった。
そっとドアを開ける。
中からは聞き覚えのある怒鳴り声だけが響く。
俺は嫌気がさし、部屋へと続く階段をあがろうと足をかけた。
その時、変な違和感を感じ、そっと二人の様子を見つめる。
向き合おうとしなかったのは俺だと気づかされた。
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