向日葵になりたい。(修正済)

幻想

「これ、ほんとにありがとう」

あたしはPHSをちょっと上げ、お礼を言った。

「そんなに喜んで貰えたら俺も嬉しいよ」


帰り道の車の中。
いつもは先生と離れるのが寂しくて口数も少なくなるけどもう大丈夫。
寂しくなったらすぐに先生の声が聞ける。
夜は先生も家に帰るから現実問題、あまり頻繁には掛けることはできないけど電話番号の交換もし、あたしは浮かれていた。

「この辺でいいよ。昨日からずっと一緒にいれてその上プレゼントまで貰って・・・すごくたのしかった。ありがとう。これからはこのPHSで連絡するね。じゃあ・・・・」

「あっ…海ちょっと待って。もうひとつ誕生日プレゼント」

「えっ!?だってこれ貰ったよ」

「うん。さっき買い物してるとき海がトイレに行っただろ?そんときこれをみてどうしてもこれもプレゼントしたくて買っておいたんだ」

「・・・・ありがとう・・・・開けていい?」

「いや、家帰ってから開けてよ。お礼はキスでいいよ」

先生はそう言って笑った。

あたしは運転席まで顔を寄せ軽くキスをした。

いつものように先生は優しく頭を撫で「ありがとう。ほんとにしてくれるとは思わなかったけど」と笑った。




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