聖職者

「しかし、あれは散々でしたよ。別に、まわりで子供が死んでいくのはどうでもいいんです。何より、最期のがきつかった。あ、ヴォルドールさん、貴方最期に僕に何したか覚えてます?」

リョウは一度鼻で笑った。

それには過去に対する憤り、嘆き、諦め、嘲り、その他様々なものが含まれていた。

そんなリョウの放つまがいまがしい殺気に気押されながらも、ヴォルドールはかろうじで答える。

「…最期はドウンバルと新ショウカザンを加えた」

「残念。あと一つロイドノカを忘れていますよ」

ドウンバル、新ショウカザン、ロイドノカ、どれも使用禁止の劇薬である。

リョウはそう言うと右腕を伸ばし、右手の平を空に向かって突き出した。

その手が段々と銀の光を帯びはじめる。

すると、さっきまで晴天だった空の雲行きが怪しくなり黒い雲が集まりだす。
< 297 / 318 >

この作品をシェア

pagetop