学園(序)
3年

従姉

「いい風だ」

春も半ばの5月。

屋上の風の心地よさが眠りに誘う。

休み時間、屋上で佇みながら遠くを見ている。

屋上から見える風景は壮大だ。

人が蟻のようで、大きな街も小さく見える。

どこか別世界を思わせるようであるが、同じ世界。

離れていても、変わらない世界。

変わらない世界の幾万の中の一人。

そして、俺が追いかける憧れのあの人も幾万の一人。

俺は憧れの人を追って、学園に入った。

従姉であり、学園でも人気がある。

今はどこにいるのか。

予知能力があるのなら、すぐにでも使って見つけるんだけどな。

予知能力とは言いがたいけど、予測は出来る。

思ってみれば、人間の予測とは予知能力に近い。

完全な物ではないが、考えを出して相手がどこにいるかを導き出す。

当たれば、それは予知能力と言ってもいいんじゃないだろうか。

それは特別な能力じゃない。

誰しもが持っている能力だろう。

憧れの人がいる場所、今の時間帯からいえば体育倉庫辺りじゃないだろうか。

あそこならば、人が来ないし密室という事で見つかりにくい。
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