三日月<出会い>

それまでのあたし

あたしは荒木ちあき

小さい頃から自分の事は名前で言う。

ワガママで天真爛漫だと周りからも言われるし、自分でもそう思う。


ちあきは大学を一年で中退して専門学校に入学した。

デザインを勉強したくて芸大に入ったけれど、自由さのあまり気をぬいてダラダラとしてしまっていたし、授業なんか寝ていたり遊んでいる事がほとんどなのに、成績はいつも最高評価だった。


今だけを見るならなんて楽なんだろう


でもこれで四年間通って就職ってなった時、運よく就職出来たってそこでちあきに何が出来る?


ここでちあきは何を得てる?


年に二回行われる大学でのコンテストで賞をとることは名誉な事だと聞いていた。


入学して以来まともに授業を受けていなかったけれど、デザインの本を一冊買って読み、そこで得た新しい知識を取り入れ作品を作ってみた。
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