恋はピンポンダッシュ!
圭織は、じれったいなあ、と言った表情をしながら、
「だ・か・らぁ!夏季は、過去に、あの子とどこかで接触してた可能性があるって事!クラスの女子達の話が聞こえちゃったんだけれど、どうもあの子、小学生の時、鈴華瀬公園の近くに住んでたらしいわよ。…ほら、今朝私達、話した事あったじゃない。何であの子、夏季の家知ってたんだろう、って。」
「えーっ!?」
鈴華瀬公園というのは、夏季の家の近所にある公園で、夏季の小学生の頃の通学路にもなっていた場所だった。
「接触してた可能性があるって…いつ、どこで…」


午後六時五十六分。晩ご飯のおかずが並んだ食卓で、一人夏季は、椅子に腰掛け、肩肘を付き、例のノートを眺めながら考え事をしていた。
―…いつ、どこで!?―
確かに、鈴華瀬公園の近くに海斗が住んでいた事があるのなら、夏季の家を知っていた可能性はないとは言えない。しかし、小学生の頃、男の子の知り合いで、クラスメートの中には、彼がいた記憶は全くない。もちろん、近所付き合いでも…
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