フランシーヌ


彼の左目は、時間を視る――。




どこから噂が漏れたのか、占い師になれとか、予言者になって一財産築こうとか、あざとい儲け話をもちかけてくるドクロの群が、さかんに札ビラをちらつかせてきて、さんざんな目にあった。

三年前、そんな環境に辟易していた頃、彼は、このスペース・コロニーの住人として選抜されたのだ。

それが、十四歳の時だった。
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