フランシーヌ
『これが、イスカリオテ、ナンバー13という戦略衛星です。核ミサイルと生物化学兵器の両方を供えた、悪魔のキラー衛星です』

画面が変わり、赤道上で静止軌道をとっているはずの人工衛星が、間近で映し出される。

「なんで、こんな映像…?」

ジョーは、唖然として立ちつくした。

『私は現在、この戦略衛星に接近中です。

この戦略衛星は、宇宙に仕掛けられたブービートラップかもしれません。

核ミサイルの発射口が、ヴァチカン市国を狙っています。

核の引きがねが引かれ、人類は二度と戻ることの出来ない滅びの道をたどるのでしょうか。

既に、地球上はいたるところで復旧不可能なほどの人的物質的被害を被り、自然破壊の進行も目を覆うばかりです。

今、思いとどまらなければ、今、争いの全てを放棄する勇気をもたなければ、地球は、確実に死の星となるでしょう…。

この電波は、全世界に向けて発信しています。

争いを止める最後のチャンスです。

この無意味な闘いを、勇気を持って終わらせようではありませんか!』
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