流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
見事に運転手である希美と、助手席で道の確認をしていた玲子が、有名なSAを見つけるたびに、何かと理由をつけて寄り道をするせいで、まだ帰り道の半分もきていなかった。

「おうちまでどのくらいかなぁ…」

少しばかり、疲れが出てきたのか、幸姫は小さく欠伸をしながら、ぽつりと呟いた。

「疲れたのか?」

優しく幸村が頭を撫でてくれる。

「うん…おうちにはやくかえりたい」

幸姫の言葉に、幸村は苦笑いを浮かべながら、そっと抱きかかえてくれた。

「もう少しの辛抱だ…多分」

そう言われて、そっと幸村にもたれかかった。


ゆきむら、あったかい。


うつらうつらと襲いかかる睡魔に勝てず、幸姫は眠りについた。


「若、本当に父親になったんっすねぇ」

しみじみと呟く佐助に、幸村は小さく、あぁ、とだけ答えた。
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