流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「はーい!幸姫ちゃん、お帰り」

希美は幸姫の持っていた紙を受け取った。

「それじゃ幸姫ちゃんは、いったい何を借りてきたのかな?」

希美の隣で、マイクを持っていた先生が、ちらちらと幸村の方を見ながらも、にっこりと笑って、幸姫のところにマイクを差し出した。

「ゆきむらー!」

「へ?」

何のことかよくわからなかったようで、先生が首をかしげていると、希美は一瞬、眉を顰めたものの、苦笑いを浮かべながら、先生に紙を見せた。

「…なるほど。幸姫ちゃんの大好きなものを持ってきてくれたのね?」

言われて、幸姫は得意げに、大きく頷いた。

「うん!ゆきむらだいすきなの!」

「幸姫…」

幸村の目に少し、涙が滲んでいた。

「俺も、幸姫のことが大好きだ」

「ほんとう?」

「あぁ、本当だ」

ギュッと抱きしめる幸村の手は大きくて、暖かくて。
幸姫もギュッと、小さな腕を一生懸命に広げて、抱きしめ返した。
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