流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「幸姫!?どうしたの!?」

泣きながら、必死で何かを探している幸姫に、玲子は驚いて腕を掴む。

木の枝で、手を切ってしまったのか、うっすらと所々で血が滲んでいた。

「幸姫、やめなさい」

幸姫を止めようとするが、玲子の言葉も耳には入らない様子で、幸姫は必死で辺りを探しまわった。

ポツリ。

さっきまで、空には雲ひとつない、綺麗な夜空が広がっていた筈なのに、気がつけば、黒い雲が辺りを覆っていた。


ポツポツ…


玲子の肩にも。幸姫の頬にも、それがあたる。

「幸姫」

玲子に呼ばれて、幸姫の動きが止まった。


さああぁぁぁ…


雨が降り始める。
幸姫は、玲子の方をじっと見つめると、ボタボタと涙をこぼしながら抱きついた。


「あー!ぱぱぁー!」


玲子は何も言わず、幸姫の体を抱き抱えると、泣きじゃくる幸姫の頭を撫でながら、雨の中、家路についた。

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