流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「馨ちゃんはほんとに馬鹿ね」

冷たく希美が、馨に言った。

「な…!かおる、ばかじゃない!」

希美の言葉に、馨は顔を真っ赤にして怒る。その様子をみて、希美は口を開いた。

「幸姫ちゃんだって、ばかじゃないのよ?」

言われて、さらに馨は顔を赤くする。

「こいつはばかだもん!」

そう言うと、馨はわっと泣きながら教室を走って出て行った。

「馨ちゃん!?」

希美が呼び止めるが、聞こえていないのか、馨はそのまま走り去って行った。はぁ、と希美がため息をつく。

「のぞみせんせ。ごめんなさい。ありがとう」

にこっとわらう幸姫に、希美は頭を撫でた。そして、面倒くさそうに教室を後にした。


幸姫は、じっと自分の書いた絵を見つめた。


わかってるもん。本当は、おねがいしてもかなわないって。


それでも、幸姫は、ほんの小さなかけらのような奇跡でも、すがりたかった。

信じたかったのだ。



お父さんに会いたい


おとうさんにあいたい


オトウサンニアイタイ……



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