H・O・L・D UP!
「なんで、おまえは手を縛られてないんだ?」
真輝のセリフを無視して、昭は言った。
真輝は、ニヤッ、と笑った。
「ほら、私って信用されちゃってるから♪ ねっ、中川さん♪」
真輝が振り返って、後ろに居た中川さんへそう言うと、昭に銃を突き付けていた男が、ギョッ、とした。
「ア、アニキ……名前……」
どうやら『中川』は偽名では無かったようで、真輝が本名で呼んだので男は戸惑っていた。